ポツドール「愛の渦」

buckpasser2009-03-08

愛の渦

愛の渦

いつも観る度に「お腹一杯、もうそろそろいいかな?」なんて思うポツドールなのですが、代表作とされている「乱交パーティーに集まった10人の男女の話」となると、これだけは観ておかないと。

僕は最初のポツドールが同じシアタートップスの「夢の城」で、先にこの「愛の渦」があったから、あの実験的とも言えるダメ人間達?の1日を描いた作品につながっているような気がしました( 観る順番を間違えたかもね)。

ポツドールの会話は「徹底的にリアルにこだわった」というだけあって、いわゆる演劇的なセリフでなく、まさに日常会話です( に見えるくらいに洗練されています)。特に少しDQN系の若者の会話がまさにリアルですね。他の芝居だけでなく、他の映画やTVドラマでもここまでのものを僕は知らないです( あるんでしょうけど)。でも現実の会話、というかコミュニケーションはいいかげんな言葉のやりとりですからね。その中に、感情や人格が見えてくると思うので好きですね。

例えば、初めて会った人同士の気まずい感じがいいんです。もしかしたら場所が関西だったら違うノリの会話になるのかも知れないけど、僕の知っている東京圏では初対面はこんな感じです。

本当の乱交パーティーがこんな感じかはもちろん知りませんけど、こういう場でもてなかったら辛いですよね。そんな可能性を考えない人が参加するんでしょうか?劇中の店員の説明にあったように、合コンからセックスに至る中間を省略したい人が来る場所、なんですよね。とはいえ、芝居はセックス自体のことはあまり関係ない印象でした( ポツドールお約束のコミカルな体位のシーンはありましたけど)。

しかし、ポツドールの芝居で終わった時に拍手があったことがありませんねえ( たまたま、なのかな?)。というか、そもそもカーテンコールもないし。僕を含めて観終わった後に複雑な感情に支配されて、それどころでは無くなってしまうのかも?

「夢の城」の時は怒りも少々あった気がするけど、不思議なことに、再演があればそちらもまた観てみたい気がしてきました。